スイスアルプスのハイキング(一日目)

 ローザンヌマラソンの翌日、アルプスリゾートで有名なツェルマットへ向かう。
ツェルマットはガソリン車の乗り入れ禁止となっている村である。一つ手前の駅
でバスを降り、それぞれ手荷物持参して電車に乗り込む。

 ツェルマット駅に降りると生憎の雨だった。予定では14時の登山鉄道に乗る
ことになっていた。これでは 3013m のゴルナーグラードに行っても全く展望がき
かないであろう。発車駅に頂上の展望台駅カメラが写したモニターが設置されて
いて、周囲はなにも見えなかった。

 ツアー行動は昼食後、自由時間として、マッターホルン展望台へは明日行くこ
とにした。天気予報では回復に向かっているとのことであり望みはそれに賭ける
ことにした。

 アルプスハイキングのためローザンヌで地図を購入し歩くコースを調べてい
た。スイス地図は世界でトップクラスの出来の良いものだと本で読んでいたので、
この面でも買いたかった。

 何と地図料金は、 2.5 万が 12 フラン(円換算 1200 円)サイズは A1 版。 5
万が 24.5 フラン、サイズは A0 版。何れも開きやすいように小さく折り畳んで
ある。料金の高さには驚くが中身を見て、日本の国土地理院地図に比較し立派さ
に納得する。

 明日の天気が 100% 晴れる保証がないし、せっかくアルプスハイキングが目的
でもあったので雨の中でも歩きたかった。ハイクコースが短いスネガコースを歩
くことにした。ホテルで雨具を身につけケーブル駅へ向かった。

 スネガまで登るケーブルカーは、完全地下方式で標高差 600m を一気に4分間
で登ってしまう。 20 分間隔で動いており 15 時のケーブルカーに乗る。スイス
の乗り物料金は高く片道 13.5 フランだった。お客は私1人のみ。

 垂直近くの勾配で上り頂上駅に到着。降りて周囲を眺めるとなんと雪が降って
いて、ガスで視界は数メートル先のみ。もちろん観光客など1人もいないし、展
望レストランも閉鎖している。スイスの日の入りは 19 時頃で、時間的には余裕
を計算しているが無事にツェルマットまで降りられるかと心細くなった。

 昨日のフルマラソンで筋肉痛が残っている。しかも右足に大きな豆を作ってし
まい体調が万全でない。地球反対側の全く見知らぬアルプスの地形はガスで全く
視界がきかない。人に会っても言葉が通じない。たよれるのは正確な地図とコン
パスと地図読みの自信のみ。オリエンテーリングの経験がなければこんな行動は
とれなかった。

 幸いにも雪が少なく山道が分かる。道の分岐では、しっかりと地図読みをして
方向を決め、周囲の地形を読み、案内標識を確認する。

 山を下るに従い視界が開けてきた。予定のコースに乗っている自信が分かると、
付近の写真を撮る余裕がでてきた。晴れていればマッターホルンが素晴らしい景
色の場所なのに、これでは日本の山道を歩いているのと変わらない。

 森林地帯に入ると唐松の紅葉が美しい。広葉樹が少ないのか紅葉は日本の方が
美しい。しかし日本では見られないネズミ返しの小屋、登山電車の高い鉄橋、素
晴らしい滝、などの景観を写真に収めることが出来きた。

 大きなリスにも遭遇できた。2時間で無事ツェルマットへ降りることができた
がコース上ですれ違ったのは、男女一組だけだった。

雪景色のスイスアルプス(スネガ展望台かツェルマットへ降りるコース)

スイスアルプスの初雪による雪帽子の花

ねずみ返しの小屋(アルプスいたる所にある穀物貯蔵の小屋)

登山鉄道の鉄橋と滝、コース上の絶景場所。ここで唐松の枝でリスを見る

鉄橋を下から眺める。高さ60m

ツェルマット部落の民家の庭で見かけた噴水

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